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いつも調剤薬局経営支援メルマガをお読み頂きありがとうございます。
船井総合研究所の吉田でございます。
皆様は2040年を見据えた調剤薬局経営を考えられておりますでしょうか?2040年問題というものがございますが、その時に日本がなってるであろう状況を踏まえて向かうべき方向性が決まっていきます。調剤薬局経営者として2024年の診療報酬改定という直近の課題のみに目を向けるのではなく、この先何度改定が起きても業績を伸ばせる強い企業になっていただくために「2040年を見据えた調剤薬局経営」というテーマで執筆させていただきます。
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皆さんもご存知の通りですが、2025年問題は団塊世代が75歳以上の後期高齢者となることで起こる、社会保険費の負担増や働き手不足などの問題のことを指します。では、皆様は2040年問題までしっかりと考えられておりますでしょうか?2040年問題では、高齢者人口が全人口の34.8%に到達し、より問題が深刻化するといわれております。2040年に向けて、もう1つ大事な指標になってくるのが「死亡者数」です。2040年には死亡者数がピークを迎えると言われております。
死亡者数がピークを迎えるということは、それだけ医療費も必要になってくるわけです。しかし、近年顕著になっている医師数・ベッド数不足をふまえると、これ以上病院における死亡者数を増やすことが難しいのは明らかです。また、最期は自宅で亡くなりたいと考えられている方が多いこともふまえると、自宅でも看取れる体制作りをしていくことを国が課題としております。
人口減少・高齢化に伴い、外来に通う患者数はほとんどの地域で2015年までにピークを迎えており、今後は減少していくと言われております。しかし、在宅患者数に関してはほとんどの地域で2040年以降も増え続けると言われております。つまり、在宅医療に力を入れることこそが今後の調剤薬局として業績を拡大させる最も効果的な手段となるわけです。実際に、地域支援体制加算の要件にも在宅医療を実施している実績が組み込まれており、改定がある度に在宅件数のハードルがあがってきております。また、近年の改定では終末期患者さんへの対応ができる薬局への加算も組み込まれてきました。
しかし、実際の在宅医療の現場をみてみるといかがでしょうか?正直、現状は終末期の方への対応ができていない薬局がほとんどなのではないでしょうか?皆様も在宅医療に取り組まなければならないということは重々理解されていらっしゃるかと存じますが、地域支援体制加算を獲得するだけの件数(月2件程度)しか行っていない店舗も多いかと思います。
1章でもお伝えした通り、国としては自宅でもお看取りができる体制を整備していく方針です。つまり、薬局としても終末期への対応ができるようになること(=質の高い在宅医療を提供すること)が2040年以降の調剤薬局経営において非常に重要になってくるわけです。
では「質の高い」在宅医療を提供するためにどのようにしていけばよろしいのでしょうか?本章では質の高い在宅医療を提供するための3つのステップに分けて解説致します。
STEP①:在宅医療における外部環境調査
まず第一に行うべきことが外部の環境調査です。そもそも自社の商圏内にて在宅医療を提供している医療機関・訪問看護ステーションなどの事業所がどれくらいあるのか?高齢者人口が何名いて、在宅医療の見込み患者数が何名いるのか?を調査することによって、自社の在宅患者数の目標件数を設定することができます。最初のステップとして外部環境を把握したうえで目標を設定しましょう。
STEP②:終末期の在宅を受け入れられる組織体制を構築する
次に行うべきことが組織体制の構築です。終末期在宅に力を入れると緊急対応、24時間365日の対応など1人の薬剤師に任せてしまうと1人に負担が集中し、持続的に取り組むことは難しくなってきてしまいます。そこで複数の薬剤師から「在宅チーム」を結成し、負担の軽減と業務効率化に繋げることができます。下記の画像のように複数人でエリア制を取り、訪問効率をよりよくしていきます。また、待機薬剤師を配置することにより、緊急時にも臨機応変に対応していく事ができるのです。
STEP③:終末期に対応するための多職種連携を行う
体制が整ったら、多職種連携に向けて連携活動を行います。多くの薬局様は在宅患者さんを獲得するのであれば、既存の外来患者さんを在宅にご案内したり、居宅介護支援事業所のケアマネさんからご紹介をいただいたりしながら在宅患者数を増やされていくのではないかと思います。しかし、終末期に対応していくためには連携先として「訪問看護ステーション」「訪問診療専門クリニック」「病院」と連携していく必要があるのです。上記の3つの連携先から信頼を得るためにはサービスレベルをより高めていくことが大事です。例えば、クリーンベンチを設置し注射薬やポンプの対応までできるようにする、多職種に向けたお薬の研修会を行う、24時間365日いつでも対応できる体制があるなどが挙げられます。ハードルが高いところもありますが、まずはできるところからサービスレベルを高めていくことを行っていきましょう。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
今回は「2040年を見据えた調剤薬局経営」についてまとめさせていただきました。在宅医療に本気で取り組みたいとお考えの方は、現在申し込み受付中の『高生産性を実現する個人在宅セミナー』にお申込みいただければと思います。ここではゲスト講師の様々な体験談をお聞きするチャンスとなっておりますので、ぜひ皆様のご参加をお待ちしております。
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